遠距離実家の維持費はいくら?空き家になった実家のリアルな年間コスト

遠距離にある古い実家の梁
空き家となり維持管理に費用がかかり始めた遠距離実家の室内

遠く離れた場所に実家がある場合、最も気になるのが「維持費」ではないでしょうか。

家は、たとえ誰も住んでいなくても、所有しているだけでさまざまなお金がかかります。特に空き家の場合は、定期的な管理や老朽化に伴う修繕が必要になるため、思っている以上に経済的な負担が大きくなることがあります。

現在、私は名古屋に住んでいますが、瀬戸内海の(陸続きの)島に築100年ほどの古い実家があります。現在は空き家となっており、70代後半の両親が年に数回帰省しながら、なんとか維持している状態です。

この記事では、遠距離実家の維持費とは具体的にどのようなものがあるのか、そして、築100年の古民家を遠方から管理する我が家で「実際にどれくらいのコスト」がかかっているのかを、リアルに、包み隠さずお伝えしたいと思います。

目次

遠距離実家の維持費とは?空き家にかかるお金の基本

遠距離実家の維持費とは、誰も住んでいない空き家の状態であっても、その家と土地を維持・管理するために継続的に発生する費用のことです。

「住んでいないのだから、水道光熱費を止めればお金はかからない」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、現実はそうではありません。建物の劣化を防ぐための最低限のインフラ維持や、法律で定められた税金など、予期せぬ出費が延々と発生します。

一般的に、空き家となった実家で必ず発生する維持費には、以下のようなものがあります。

  • 固定資産税・都市計画税(毎年必ずかかる税金)
  • 火災保険料・地震保険料(空き家でも加入が必要なケースが多い)
  • 水道光熱費の基本料金(掃除や換気、凍結防止のために契約を残す場合)
  • 庭の管理費(草刈りや樹木の伐採費用)
  • 交通費(実家へ様子を見に行くための往復費用)

これらに加えて、古い家になればなるほど「突発的な修繕費」が重くのしかかってきます。

業者と親戚、どちらに頼む?遠距離管理のメリット・デメリット

遠距離実家で最も頭を悩ませるのが、庭の草刈りや風通しなどの「現地の管理」を誰にやってもらうかです。遠方から頻繁に通うのは難しいため、現地の親戚にお願いするか、専門の管理業者に頼むかの二択になることが多いと思います。

それぞれのメリット・デメリットを整理してみました。

現地の管理を親戚にお願いする場合

  • メリット: 気心が知れており、費用も「お礼(数万円程度)」として柔軟に対応してもらいやすい。近隣の状況などもすぐに教えてもらえる。
  • デメリット: 高齢の親戚にお願いする場合、体力的な負担をかけてしまう。また、金銭的な契約ではないため、細かな要望(「ここをもっと切ってほしい」など)を強く言いにくい。

現地の管理を専門業者にお願いする場合

  • メリット: プロの仕事なので、仕上がりが綺麗で確実。写真付きの報告書をもらえるサービスもあり、遠方にいても安心感がある。
  • デメリット: 定期的な出費(月額数千円〜1万円程度、またはスポットで数万円)が固定費として発生する。

我が家の場合、庭の草刈りに関しては近所の親戚に数万円ほどのお礼をお渡ししてお願いしていますが、大きくなりすぎた庭木の伐採など、素人では危険な作業は業者に頼らざるを得ないのが現状です。

【比較表】築100年の古民家・遠距離管理のリアルな年間コスト

それでは、我が家の実例をご紹介します。瀬戸内海の陸続きの島にある、築100年の空き家にかかっている大まかな年間コストの比較表です。一般的な空き家と比べて、古民家ならではの負担が見えてきます。

項目一般的な空き家の目安我が家(築100年・島)のリアルな実例
固定資産税約5万~10万円(規模により大きく異なる)数万円レベル(筆者の場合田舎のため評価額が低く、そこまで高くはない)
草刈り・庭の管理年間3万〜5万円数万円(親戚へのお礼)+ 大木伐採の場合は1本約10万円
修繕費年間5万〜10万円突然の深夜電気温水器故障で10万円超
※床の沈みなどジャッキアップ修繕100万円の懸念
交通費年間3万〜10万円10万円以上(名古屋⇔瀬戸内海の島の往復交通費・ガソリン代×年数回)

予測不能な修繕費(深夜電気温水器の故障)

古い家は、いつどこが壊れるか分かりません。
両親が定年後にリフォームを行ってはいるものの、先日、たまにしか使わない深夜電気温水器が突然壊れました。交換のために10万円以上の出費となり、空き家の設備を維持することの難しさを痛感しました。さらに、母屋の中心部に沈みが見られ、本格的なジャッキアップ修繕には100万円が必要と言われており、大きな懸念材料となっています。

終わりのない庭の草刈りと大木伐採

田舎の広い敷地では、草刈りだけでも重労働ですが、本当に厳しいのは「大木の伐採」です。放置すれば台風などで倒木し、近隣にご迷惑をかけてしまいます。業者に頼むと1本切るだけで10万円前後かかり、家計に重くのしかかります。

『お金がかかるから』と手入れを怠り、空き家をそのまま放置してしまうことだけは絶対に避けてください。放置することで生じるさらに恐ろしいリスクについては、こちらでまとめています。

名古屋から瀬戸内海の島までの交通費

そして、確実に出ていくのが交通費です。名古屋から瀬戸内海の島までは、新幹線・在来線とタクシー、あるいは車での長距離移動となります。車がメインなので、往復の高速道路代・ガソリン代が帰省のたびにかかるため、遠距離管理における「隠れた、しかし最大の維持費」とも言えます。

遠距離実家の維持費に関するよくある質問(FAQ)

空き家にしておくと、水道管やガス管はどうなりますか?

長期間水を使わないと、排水トラップの水が蒸発して下水の臭いや虫が上がってくる原因になります。また、古い配管はサビや凍結で破裂するリスクもあります。
我が家では「母屋⇔納屋」間の水道管が破裂し、閉鎖した経験があります。
それ以来、帰省時に通水チェックを行っていますが、地中の配管検査など、専門的なチェックは業者に依頼することも考えなければなりません。

維持費を少しでも安く抑えるコツはありますか?

まずは「不要な契約を見直す」ことです。使っていない固定電話の休止や、アンペア数を下げての電気契約の見直しなどが考えられます。また、火災保険も空き家向けの適切なプランに見直すことで費用を抑えられる場合があります。

庭の草木は、除草剤をまいて放置しても大丈夫ですか?

除草剤は一時的な効果はありますが、次に帰省する頃には「元の木阿弥」で、何事もなかったかのようにボーボーに生えています。
また、枯れた草木をそのまま残しておくと、景観が悪化したり火災のリスクが高まったりします。また、隣接する土地や農作物への影響もあるため、使用には十分な注意と近隣への配慮が必要です。

どうしても維持費が払えなくなったら、実家はどうなりますか?

税金(固定資産税)を滞納すると、最終的には財産が差し押さえられる可能性があります。また、家が倒壊の危機にある「特定空き家」に指定されると、自治体から強制的に解体され、その費用(数百万円)が所有者に請求される、さらに氏名まで公表される…といった、最悪のケースも存在します。

まとめ:空き家の維持費は想像以上。早めの対策を

遠距離にある実家の維持費は、固定資産税などの「目に見えるお金」だけでなく、大木の伐採や突発的な設備の故障、そして長距離の交通費といった「予測しづらいお金」が次々と発生します。

築100年の家を守るということは、想像以上に過酷な現実です。親が元気なうちは何とかなっていても、いずれは必ず私たち子世代がこの負担と向き合うことになります。

「この家を将来どうするのか。」

維持費という現実的な数字を前に、そろそろ真剣にシミュレーションを重ねていく時期に来ていると感じています。

この記事を書いた人

名古屋在住。
瀬戸内の島にある築100年の実家を家族で管理しています。
親が70代後半になり、遠距離実家の問題に直面しました。
空き家の維持費、古民家の管理、実家をどうするのか。
そのリアルを記録するブログです。

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